近年、綿山に関する報道を耳にする機会が増え、全国各地からいにしえの名山を求めてこの景勝の地綿山を訪れる観光客が増えてきている。 秋の涼しさに誘われて、私は再び、山西省にある歴史的人文的の地を会した、まだ足を踏み入れたことのない晋中盆地南端の介休に向かい、秋色に染まる綿山を訪れた。 車は太原を離れ西南に走り、秋風は、細かい柳の緑を残して吹き、ポプラの葉は晴れた空の下できらきらと揺らめいている。三時間もすると、平坦な晋中原野に突然山の峰が現れた。そこには山の湿気が満々とたちこめ緑が生い茂っている。これがあの歴史に名高い誉ある綿山なのか‥‥。 多くの名山は登山道が整備されており、綿山もこの点については同じである。 しかし綿山の特殊なところは、登山道のほとんどが90度の断崖絶壁にめぐらされているところだ。高くまで登ると、麓の肥沃な大地が見渡せ、自分の居場所が余計に高く感じられる。また、綿山が独特と言われるもう一つの理由は、そこに建てられた建物にある。その多くは、断崖に張り付くように、深い谷に臨むように建ち、その様はまるで山肌に溶け込んでいるかのようである。あるいは岩石を基盤に、道路を天井にするようなものがあるが、年がら年中、その道路は車輪で踏みしめても、崩れ落ちる気配はない。もう一度険しい峰の頂上を見上げると、寺院はまるで空に浮かんでいるように見え、空高くかけられた階段は、巨大な「之」の字を刻み、それが夕暮れの中で霞んで一層恐怖感を煽る。
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